子ども坐禅塾〜支えあい、今を生かされる〜
2013/ 8/14
定直 清哲さん(41回生)
戸畑区 曹洞宗 興禅寺 住職

 土曜の正午、お寺の本堂に子供たちと保護者が集まります。なかには遠方から車で来られる方もいます。
 興禅寺、子ども坐禅塾の始まりです。
 今の社会は子ども達にとって、深刻な問題が沢山あるのに、地域でお寺は蚊帳の外になりがちです。そこで子ども達のために、もっとお寺にできる事がある。と思ったのが子ども坐禅塾です。大人と子どもが触れ合い勉強や遊びを教える機会でもあります。
 姿勢が調えば呼吸が調い、呼吸が調えば心が調う坐禅を組んで、子供たちに自分の心を見つめてもらい、自分自身が、かけがえのない尊い存在だと分かれば、相手も大事にする、思いやりの心が育っていくと信じています。

 先ず、私が前日から仕込んでおいた、お粥をみんなで食べます。大量に一気に炊き上げたお粥はおいしく、ほとんどの子ども達がお代わりをします。  次に参加者全員で、お経の本を手にとり、開塾のお勤めを大きな声でお唱えします。
 そして、二十分間の坐禅を二回坐ります。毎回、正式な坐禅の坐り方をわかりやすく説明します。
 最後に子ども達に二十分の法話を話します。私の実体験を引用し、小学生にもわかるように言葉を噛み砕いて話します。


 その後、子供たちはお菓子をいただき、遊びと勉強の時間です。大人は子供たちにカルタやトランプ、勉強を教えます。宿題を持ってくる子供もいます。この時間が子ども達も、私も一番の楽しみです。
 法話の内容は、「何かをがんばっているみんなの後姿が尊い、しかし、がんばれない時は休めばいい」ことを伝えます。そして、夢や目標を持ち「休みながらも、あきらめない」こと、「孤独や不安を感じた時、必ず人に相談すること」の大切さを子ども達に話します。

 私が子どものころを振り返ってみると、孤独や不安を感じた時、どのようにして安心したでしょうか。それは様々な方からの、慈しみの心からほとばしり出てくる、親しみと思いやりの言葉です。
 私も、子供たちにやさしく語りかけてまいります。なぜなら私に関わりのない子どもなどいないからです。人と人は、目に見える関わりと、目に見えにくい関わりがあります。誰もが関わりあい、支えあい、今を生かされているのです。
 誰もが尊く平等である事を忘れず、場所を選ばず、時を選ばず、自分や他人の区別無く、慈悲心より発する言葉は、子ども達を勇気付け、教訓を与え、成長させ、安心をあたえる事ができるのです。