帽子かぶり“第二の青春”
2012/ 7/13
戸畑高校天籟同窓会 会長、キャップス&ハッツ リーダー 藤本 秀明さん(17回生)

トレードマークのハットをかぶって
「僕らの青春時代の歌を」を語る藤本さん


 「自分も楽しく、みんなにも喜んでもらえれば」。40〜60代の男性5人組フォークグループ「キャップス&ハッツ」のリーダーを務める藤本秀明さん(65)=北九州市小倉北区=は笑顔でそう話す。1960〜80年代の日本の曲を中心に市民センターなどで披露している。同市門司区長時代に始めた活動は7年目に入り、「第二の青春」を楽しむ日々だ。

【宍戸護】

 海風が吹き抜ける門司港レトロ地区。5月のイベントで、トレードマークのハット(帽子)をかぶった藤本さんが名曲「あの素晴らしい愛をもう一度」を歌い始めると、会場から大きな手拍子が起こった。ステージ終了後には、旧知のファンと握手を交わしていく。

 藤本さんがギターを"弾き始めたのは16歳のころ。その後、市職員として働くかたわら、大学の夜間コースに通っていた時には、同級生3人とフォークグループを結成。歌手の森山良子さんの前座も務めるほどになった。しかしその後、市の仕事が忙しくなり、区長に就任するまで約30年間、ステージ活動から遠のいた。藤本さんは「カラオケを楽しむ程度で我慢していた」と振り返る。

 再びマイクを握るきっかけになったのは、門司区長に就任した05年春。それまでの事務職と違い、区役所では市民と接する機会が多い「市民とコミュニケーションをとりたい」と思いついたのが、フォークソングだった。同年6月、同区の多目的ホールで後輩職員と初めてステージに立った。舞台では「足が震えた」と笑う。加山雄三さんの「旅人よ」など、6〜7曲を披露した。客席を見る余裕はなかったが、当時の大きな拍手は今も耳に残っている。それ以来、活動を再開した。退職後の06年には音楽好きが集まり、フォークグループ「キャップス&ハッツ」を結成した。バンド名の由来を聞くと、藤本さんは照れくさそうに話した。


昨年8月17日、北九州芸術劇場のステージに立つキャップス&ハッツ。
左から2人目が藤本さん =藤本さん提供

 「演奏中の写真を見ると、髪の薄い後頭部が目立つんです。そこでハットをかぶったら気恥ずかしさが消えて……。みんなもハットかキャップ(ツバ付き帽子)をかぶるようになりました」

 今は月1〜2回、市民センターなどで歌う。全てボランティアで機器も自前。最初は6〜7曲だったレパートリーも今は10倍に。ステージから客の顔を見る余裕もできた。「いつも来てくれている人を見ていると、歌詞を間違えたりね」と苦笑いする藤本さん。この活動を70歳までは続けたいと言う。

 「適度の緊張感を持ちながら、自分も楽しく、同世代の人にも喜んでもらえればいい」と元気に語る。


◇キャップス&ハッツ
北九州市在住の市職員、会社員、藤本さんら計5人のフォークソンググループ。
土日を中心に、ボランティアで活動する。グループのホームページはなし。
問い合わせは藤本さん090−1178−8959。

出典:毎日新聞 2012/7/6(金)