花のお江戸の戸畑祗園提灯山笠
2012/ 6/ 7
原 敏昭さん(22回生)

 この原稿が『ひろば北九州』に掲載される頃は初夏だな〜と思いつつ、筆を進めています。故郷北九州・戸畑の街のあちらこちらで、戸畑祇園提灯大山笠(以下提灯山笠と略す)の「祗園囃子」の稽古がそろそろ始まっているのではないでしょうか。

 故郷戸畑を離れて四十年を越えてしまいましたが、私の小学生時代の昭和三十年代には確か七月十三日〜十五日の三日間、戸畑祇園は開催され、そのハイライトが七月十四日夜の提灯大山笠競演会でした。  戸畑区役所・戸畑文化ホール前の中央広場で「東」「西」「中原」「天籟」の四大山笠のタイムレースだったと記憶しています。抜きつ抜かれつの大山笠が各コーナーで大きく傾く様にハラハラドキドキ、子供心に心踊ったものです。競演会当日は小学校も短縮授業で、夜になるのが待ち遠しく、梅雨明け前のひと夜は子供にとってファンタジーの世界でした。競演会場の夜空に打ち上がる打ち上げ花火に、アイスキャンディーを舐め舐め見とれていました。正に高度経済を突き進んでいた、北九州・戸畑版の「三丁目の夕日」の世界がありました。

 その提灯山笠を約半世紀後にお江戸で見ることが出来たのです。二〇〇九年三月末、東京九段の靖国神社で開催された、奉納「戸畑祇園大山笠競演会」です。「東」「西」「中原」「天籟」の四大山笠のフル出演でした。奉納は「秋田竿灯」とのコラボでした。当日は満開の桜の下での競演と思いきや、戻り寒波で花冷えを通り越して、寒さでコートを着てもブルブル震えての見物となりました。戸畑高校天籟同窓会関東支部の同級生十人と「提灯山笠」も「秋田竿灯」も「夏祭」なのにと言いながら、故郷戸畑に思いを馳せつつ一緒に見物しました。提灯山笠は秋田竿灯に比べて贔屓目でなく、やはり勇壮で男の祭です。見ていて心が踊ります。

 この提灯山笠を昨年十月の戸畑高校天籟同窓会関東支部定期総会のアトラクションで「祗園囃子」の部分を実演し、出席者二百人に感動を与えました。提灯山笠の実演は叶わずでしたが、「天籟」の法被を身に纏い、鉢巻き姿は故郷戸畑を離れて久しい関東支部同窓生有志の昔取った杵柄を思い出し、思い出ししながらの熱演でした。故郷戸畑から現役の「囃子手」を呼んでの実演の方が上手で、迫力もあったでしょうが、関東在住者の鐘・太鼓の生演奏には聞く同窓生に遥かに温もりを与えたと思います。戸畑人のDNAがここにも脈々と受け継がれているのを実感しました。

 故郷北九州を思い出させる映画に先日出会いました。松竹映画、木下恵介監督作品「この天の虹」です。DVDで鑑賞しました。久我美子主演で、旧八幡市を舞台にした映画です。旧八幡製鉄株ェ幡製鉄所に働く若い男性社員が主人公久我美子との交際を通じての生き方・結婚観を描いています。旧八幡市街・八幡製鉄構内・旧本事務所等でのロケで、北九州人の血が又々騒ぎました。高度経済成長の入り口で、北九州旧五市全体に活力が漲っていました。繁華街は人、人、人で溢れていました。「七色の煙」も成長のシンボルでしたが、公害も負の部分として、深刻になりつつあった時代でした。
 現在の北九州は綺麗ですが、活力がないのが寂しい思いがします。頑張れ!北九州。

出典:「ひろば北九州6月号」


 上記の記事は月刊誌「ひろば北九州6月号」の「東京だより」に掲載されています。「かんもん北九州ファンクラブ」の担当ページで、主に謝志会(北九州弁の「しゃーしー」から取った北九州・京築地区の高校同窓会の連合体と言った様なもの)のメンバーが毎月持ち廻りで原稿投稿しております。
「かんもん北九州ファンクラブ」は下記のURLでご覧いただけます。故郷「北九州」を強く想う関東在住の北九州出身者の気持ちが伝わって来ると想います。

紹介者:関東支部 藤吉 隆憲幹事長(18回生)談

【かんもん北九州ファンクラブ】
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