還暦目前、甲子園目指す 中学校長から東筑紫学園高野球部へ赴任
2012/ 5/13
島田 清さん(24回生)

 甲子園の夢を追いかけようと、還暦を前に中学校長職を辞し、高校野球の指導者に転じた人がいる。前北九州市立沖田中(八幡西区)校長で、1日付で東筑紫学園高(小倉北区)野球部監督に就任した島田清さん(58)。「技術論は教えられないが、子供をやる気にさせることなら負けない」。15日の北九州市長杯での試合が監督デビュー戦となる。【小林悠太】

 島田さんは39歳で管理職になり、5校で教頭、校長を歴任した。管理職になってからも野球の指導には携わっていたが「硬式は軟式とは違う。ノックで球が全然飛ばない」と苦笑する。選手たちには常に笑顔で接し、部の雰囲気は明るい。

 戸畑高2年だった71年のセンバツに戸畑商高が出場し、中学の友人は甲子園の土を踏んだ。あの時、戸畑商高の誘いを断ったことを島田さんは今も後悔している。それ以来「甲子園」が頭から離れなくなった。

 福岡教育大在学中に2年半、母校の監督を務めた。県北部で4強に進むまで強化したが、学校の事情で解任された。その半年後、母校はセンバツ代表に選ばれた。あれから35年。昨秋、東筑紫学園から「ぜひ監督に」との話が持ち上がった時「悔いを残したくない」と迷わず市教委に退職届を出した。

 東筑紫学園高は、93年と05年のセンバツに出場したが、近年は低迷が続く。昨春は部員の喫煙も発覚した。「イベント校長の学校再生!」(講談社)の著書があり、ユニークな学校運営を行ってきた島田さんには、部の立て直しも期待されている。

 「子供をその気にさせたい」と島田さん。これまで「球が遅いから変化球だけ投げろ」と言われていた投手には「秋には軸になってほしい。今は打たれていいから、いろいろ試せ」と励ます。練習試合で「サインをはっきり出してください」と頼んだという瀬戸大輝主将(17)は「意見を言いやすい雰囲気を作ってくれる」と話す。

 15日は夢だった「甲子園」への第一歩。「ドキドキしている」と胸の高鳴りを抑えきれない。

出典:毎日新聞 2012/4/15(日)